タイトルは、ユリウス・カエサルが言ったとされる言葉で、ガリア戦記に記されているものです。
最近、いくつかの記事で似たような話を見聞きしました。
ひとつは、Books&Appsの記事
なぜ「ファクト」は人を怒らせるのか。「ファクトフルネス」を読んで、暗鬱とした話。
もうひとつは、GIGAZINEの記事
ビル・ゲイツが称賛した「世界から貧困は減っている」というグラフを学者が完全否定
「ファクトフルネス」と言う書籍の副題は、”データを基に世界を正しく見る習慣”というものです。
人は、欲するものを喜んで信じるから、出来るだけ真実に近づくために、データや数値を使って世の中や物事を正しく見ようと言うわけですが・・・
皮肉にも、数字やデータを使って「自らが欲することを喜んで信じようとしている」のではないかとも考えられます。
ファクトとは、実際に起ったこと、事実、を指す言葉です。
例えば、今は景気が非常に良いらしく、戦後最長と言われています。
たしかに、大手企業で最高利益を更新した、と言う話を見聞きすることも多いです。
一方で、景気が良いと言う話を聞いても、どこか異国の話でしょうか?という方々も多くおられます。
実質の給与所得は、ひたすら低下し続けていると言うデータがあります。
どちらも、数値であり、データです。ファクトと言い換えてもいいでしょう。
例えば、株式市場が盛り上がり、平均株価が上がると景気が良いという判断をするのがよくある話です。
お金を持っている人にとって見れば、自分の資産が寝てても増えれば、そりゃあ剛毅な話で、景気の良い話です。
一方、お金に余裕がない人は、株式など買えませんし、たとえ買っても意味はさほどありません。
金持ちが10億円投資すれば、1%増えるだけで1千万円になります。少々の贅沢をしても1年余裕で暮らせます。
貧乏人が頑張って、100万円投資して1%なら、1万円です。10万円なら1000円です。
投資は減ることもあるわけですから、今日明日の生活費では出来ません。万一無くなっても死なないお金を沢山持っている人だけの特権です。
どの立場から見るかで全然変わって来るわけです。
持っている立場の人間が、超上から目線で見るなら、ビル・ゲイツの様に貧困が減ったという考えになるでしょう。
貧困にあえぐ立場の人間からすれば、お腹が減ってたまらないので、今日明日のご飯をどうしようか考えるのが精一杯だという事でしょう。
貧困が減ったとか言われても、お腹が一杯になったことなんて生まれてこの方数えるほどしか無いよ?
というのがファクトだと思います。